【第14回セミナーを開催しました】
「セラピストは一回の介入で慢性期の運動パターンを変えられる」
今回はボバース国際認定インストラクターでKNERCセンター長の小野剛先生にお越し頂きました。
姿勢は片側に崩れ、下腿三頭筋はガチガチ、ハムストリングスもバッツバツ。
他にも硬いところや固定していそうな所がいくつか見られる。そして動作は常に極端に左右非対称。
どこから手をつけて良いのやら…
どこに時間をかけたら効果的なのか…
慢性期の脳卒中後遺症を持つ患者の治療でよく感じることではないでしょうか?
いったいどうすれば良いのか?
答えは今回のセミナーの中にありました。
「ハンドリング」をする事によってその反応を評価・推論し、「ハンドリング」による治療効果でさらに考察を深める。
これにより導き出される根本的問題を徹底的に治療介入する。
これによって慢性期の脳卒中後遺症をもつ患者さんの歩行が実際に変わるところを目の前でデモンストレーションで見せていただきました。
衝撃的な変化でした。
受講生からは
「神経系の説明がわかりやすかった」
「ボバースをもっと勉強したいと思った」
「ハンドリング練習をしていきたいと思う」
などの感想が寄せられました。
70年の歴史をもつボバース概念。
概念もさることながらハンドリングというテクニックがやはり凄いと感じました。
感覚的になりがちなハンドリングが言語化して説明されていたので、何をどうしたら良いのかがはっきりしていました。
臨床に落とし込まれた神経系の話やデモンストレーション、6人に1のアシスタントの先生がいる中でのハンドリング練習。
本当にあっという間の2日間でした。
小野先生、アシスタントの先生方、参加された皆様、そしてデモンストレーションに協力してくださった患者様ありがとうございました。
【講義内容】
すでに歩行を獲得されている脳卒中片麻痺者に対して、なぜその歩行に対してさらなるアプローチが必要なのでしょうか?装具や杖なしの歩行を目指すというこ とでしょうか?歩容を改善して動作効率を上げるということでしょうか?将来に向け歩行機能の低下を予防するということでしょうか?
この研修会は、そんな問題について深く考え、セラピストとして具体的にどのようなポイントで評価・治療を進めたらいいのかについて学びます。
短い時間ですので、歩行の第1歩めの重要性、CPG(歩行パターンジェネレーター)について焦点を当てて学習します。
【略歴】
1993年 群馬大学医療技術短期大学部作業療法学科を卒業し、作業療法士国家資格を取得
同年 大阪のリハビリテーション専門病院に勤務
2003年 日本福祉大学大学院情報・経営開発研究科博士前期課程修了
2010年 ボバース国際認定インストラクターとして認定される
2013年 20年間の病院勤務のキャリアを終了し、ボバース・アプローチの講師として全国を回る
2015年 上賀茂神経リハビリテーション教育研究センターKNERCセンター長就任