【第16回セミナーを開催しました】
「常識を超えて提供する技術」
今回は山嵜勉先生をお招きして形態構築アプローチについてお話しをしていただきました。
理学療法士は患者を訓練させるだけで良いのか?
理学療法士は患者の運動メニューを組む事が仕事なのか?
セミナーはそんな問いかけから始まりました。
じゃあ私達の仕事って何なのか?
先生の教えは
「患者がうまく動けるような機能を作ってあげること」
でした。
私たちが徒手的介入あるいはインソールなどの道具を用いて身体機能を改善してあげれば、その先にある動作や生活は変わっていく。
その為の1つの手段として形態構築アプローチがある。ということでした。
形態構築アプローチは
私たちの「常識には無い思考過程」で「常識にはない場所」を「常識にはないタッチの仕方」で身体機能の変化を起せてしまいます。
様々な先生の治療を見てきた私達研究会のメンバーにとっても、山嵜先生の手技は衝撃的なものでした。
受講された方からは
「今までになかった考え方を学べて良かった」
「山嵜先生の貴重な話が聞けてよかった」
「難しい部分もあったが臨床に応用できる内容だった」
などの声が寄せられました。
2日間では到底理解しきれない内容でしたが、アプローチによって変化することは確かに体感することができました。
臨床でいかに使っていけるかは私たちに課せられた先生からの宿題のような気がします。
この2日間は半世紀以上という人並みはずれた長いPT人生を持ち、今もなお熱い魂を持って臨床に挑むPT界の宝「山嵜勉先生」と同じ時間を共有できた貴重なひと時でした。
参加された皆さん、山嵜先生、ありがとうございました。
【講義内容】
生物は、生活環境に適応出来るように身体機能を発達させ、その機能を最大に発揮出来るように形態を進化させて種を維持してきました。
人間も700万年という時間を経て直立二足を移動形態として今日の形態に進化させ、現生種として固定化してきたと考えられています。
人間は、直立二足移動に二本の後ろ足で歩くという動作が適しており、それに適応するように形態を進化させ、更に直立二足歩行機能を強化する、という到達の結果、現代の人間の形態に進化したと考えることが出来ます。
形態構築アプローチは、人間の身体運動機能が形態を形成し、また形成された形態が更に運動機能を発達させるということで進化してきたことから、形態破綻の状態を評価し原因を推定しアプローチを展開していきます。
例えば、身体の一部に変化が起こると立位維持、または動作遂行のために立位形態に変化が起こります。
具体的には立位にて一側上下肢の支持性低下は前額面と水平軸での形態変化を、両側の支持性低下では矢状面の形態変化を招きます。
結果として四肢関節の可動域制限や運動域低下などが生じ、動作や運動機能に支障を与えます。
このように、人間の立位形態破綻の状況を評価する事で運動機能低下の原因を推定し問題点を摘出することができます。
形態構築アプローチは、これらを基に破綻した形態の再構築を目標として四肢関節、頭部体幹の関節可動域及び関節運動域を確保し、寝返り、起き上がり、立ち上がり、座位保持、立ち上がり、歩行動作機能を再構築し身体運動障害を改善していく理学療法技術です。
【時間割】
【講師】山嵜勉 先生
【所属】元 昭和大学藤が丘病院リハビリテーション部技師長
理学療法士経験年数半世紀以上
【資格】理学療法士
山崎先生のご紹介はPT・OT・STの働き方・学び方発見サイト「POST」のコラムをご覧下さい.(クリックで移動)
【略歴】
昭和33年、東京女子医科大学病院物理療法室入職
昭和50年、昭和大学藤が丘病院リハビリテーション部入職
平成2年、昭和大学リハビリテーション病院リハビリテーション部兼務
平成9年、昭和大学藤が丘病院リハビリテーション部
昭和大学リハビリテーション病院リハビリテーション部定年退職
定年退職後は非常勤として、海老名病院、横浜旭病院、
横浜新都市脳神経外科病院、新葛飾病院、等に勤務