【第35回セミナーを開催しました】
今回は長野赤十字病院の関塚修久先生にお越し頂き「摂食・嚥下障害への徒手的介入~呼吸・姿勢を考慮したアプローチ~」を開催しました。
摂食・嚥下の運動学はDr.やSTも細かく学習しないようです。
もちろんPTやOTも同じです。
明らかに摂食・嚥下に問題がある患者さんのベッドサイドを想像してください。
何をしたら良いか分からずとりあえず四肢を動かしてポジショニングをして終了。
なんとかしたいけれどどうしたら良いか分からずもどかしい思いをしているセラピストは多いのではないでしょうか。
今回関塚先生はそこを解決するためのお話をしてくださいました。
口腔ケアから始まり、誤嚥の原因となる頸椎のアライメントや舌骨下筋群、舌骨上筋群の問題など、複雑でどうアプローチしたら良いかわからない部分に対しての触診や介入方法をご提示いただきました。
参加された方からは
「わかりやすい講義で苦手意識がなくなった」
「直接練習では無くても嚥下障害に対してPTができることもあることが分かり、明日からの臨床で実践していきたいと思う」
「誤嚥性肺炎が将来的に増え続けることを考えると、今日参加できたことで多くの患者さんの力になれると感じた」
などの言葉が寄せられました。
食事をうまく食べられない…
これは何を意味するのか。
「人生の質」「生死」
これらを左右する摂食・嚥下障害。
もっとたくさんの方に興味を持ってもらい、学んでもらえるように当研究会も力を尽くしたいと思います。
関塚先生、参加された皆様ありがとうございました。
【講義内容】
摂食・嚥下障害を考えるとき直接訓練はST、間接訓練はPT・OTというイメージがあると思います。
しかし、臨床では口腔内を含めた全身状態、姿勢などを総合的に評価してアプローチしていくことの重要性を感じます。
PTとして実際の介入方法は徒手的介入が中心となりますが嚥下時の前傾部の運動学はほとんどの方はあまり習われていないように思います。
また、健常人でも頚椎カラーをして嚥下すると喉頭侵入が認められたという報告があるとおり頚部の動きが損なわれると嚥下障害につながりやすいのも事実です。
このセミナーでは、
①嚥下に対する解剖学的・生理学的の整理
②身体への徒手的アプローチと姿勢(ポジショニング)
③呼吸と嚥下の考え方や評価
などを中心に徒手的な介入方法が少ないイメージの摂食・嚥下障害に対して療法士として何ができるかを考えていきたいと思います。
関塚修久先生
【所属】長野赤十字病院 リハビリテーション科 主任
【取得資格等】
3学会合同呼吸療法認定士、環境福祉コーディネーター2級、
食生活管理士、日本リハビリテーション栄養研究会会員
【著書】
『運動の成り立ちとは何か?』文光堂 『実践編BiNI Approach』 文光堂
一部執筆
【その他の活動】
長野県理学療法士協会スポーツサポート部、某公立高校野球部トレーナー